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2014年4月14日 (月)

オーケストレーションのおもちゃ箱@ブラオケ東京発

番組information

NHK-FM 「ブラボー! オーケストラ
東京フィル 第839回 サントリー定期シリーズから(1)
放送日:2014年4月13日
解説: 吉松隆

「ピアノ協奏曲 ト長調」 ラヴェル作曲
(22分25秒)
(ピアノ)ファジル・サイ
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(指揮)ダン・エッティンガー
~東京・サントリーホ-ルで収録~
(2013年10月25日)

「皇帝円舞曲」 ヨハン・シュトラウス作曲
(11分12秒)
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(指揮)ダン・エッティンガー

「喜歌劇“天国と地獄”序曲」 オッフェンバック作曲
(10分02秒)
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(指揮)ダン・エッティンガー
~東京オペラシティコンサートホールで収録~
(2013年1月20日)

NHKのサイトを参照しました。


以下、吉松先生の解説を編集したものです。

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「さて今日は、東京フィルの常任指揮者であります、ダン・エッティンガーさんのタクトで、近代のピアノ協奏曲の名曲、これをファジル・サイさん、これはなかなかの才人のピアニストで楽しみなんですけど、そのピアノ協奏曲と、そして後半は、ワルツやオペレッタの序曲など楽しい作品を聴いていただきたいと思います。」

最初がラヴェル作曲のピアノ協奏曲。これは本当に私の大好きな作品の一つでもあるが、このラヴェルという作曲家、実はドビュッシーラベルなどと並べて、印象派、フランス近代などという言い方で括られることもあるが、意外とこの方、生まれもシェーンベルクなんかとほぼ同じ世代でもあるので、このピアノ協奏曲が書かれた1930年代なので、立派に現代音楽の時代の作品。ただ、この作品、昔からラヴェルというのは別にシェーンベルク的な無調とか特殊な、前衛的な現代的な手法というを使うわけではないが、非常にモダンで斬新なサウンドで心に残る、そういう作曲家だと思う。有名なボレロなどにしても、これ新しいんだか古いんだか、特殊なのか前衛的なのかポピュラーなのかよくわからない不思議な作品のような気がするが、ご存知のように、ずっと同じリズムが繰り返し繰り返し、非常にシンプルといえばシンプル、複雑といえば複雑という、なかなか面白いスタンスで曲を書かれている人で、私もこれ昔随分、この作風というかこのスタンスに影響されるというか、憧れた。
芸術とか、フランス近代とかという言い方をするとちょっと高尚になるが、どちらかといえば、おもちゃ箱のような感じの音楽を生涯追求された人のような気がする。あまり大人の男、女が出て来るロマン派的な作風というものにむしろ、背を向けているとでもいうのか、如何にも子どもが、子どもがといっても幼稚なとか子どもっぽいとか、という意味ではなくて、男の持つ子供心、童心というのか、そういうものを知性とか、あらゆるテクニックをフル稼働して、大人の作る幻想世界を生み出すというような、そういう作風に非常に個人的にも惹かれる。
このピアノ協奏曲はそれを代表する作品のような気がする。おもちゃ箱的、というとまさに、そのものずばり、なのかもしれない。
「オーケストラの魔術師」などというえら偉そうな言い方をすると非常に難しく聞こえるかもしれないが、冒頭、鞭の「ピシッ!」という音から始まって、ピッコロとかEs管の甲高い音のトランペットとか……クラリネットとか* 、トランペットの不思議なサウンド、ハープもまた不思議なハーモニクスなどのサウンド、あらゆるものを駆使して、次から次へとおもちゃ箱的な不思議なサウンドがおもちゃ箱から飛び出して来るというような、そういう形で書かれている名品中の名品だと思う。
古典的に3つの楽章からなるが、1楽章と3楽章というのが、どちらかというとサーカス的な、というのか、非常にこの、子どもがバタバタ、と走り回るような面白くて、いろんな音を出すのが楽しくてしょうがないというような音楽で作られて、そしてそれに挟まる2楽章というのがまた、これが美しい、不思議な情緒感をもって佇む、という、非常に対照的な、同じ作曲家が書いたのか!? と思われるような、対照的な音楽の組み合わせで、非常に、摩訶不思議な世界が繰り広げられる。
特に今日は、ファジル・サイさんという、この方も非常に才気あふれる、トルコという、クラシックではちょっと珍しい出身の方なんですけども、ご自身でも作曲をやられていて、非常に奇才というのか、天才というのか、不思議なスタンスで音楽を紡ぐ方で、この方のラヴェルというのも今回は非常に楽しみ。
「3つの楽章から鳴る22、3分程の作品ですが、ラヴェルが晩年に書いた、おもちゃ箱全開のピアノコンチェルトです。これはちょっと、お楽しみください。」

なんか曲が終わった途端に思わず微笑んでしまうというような、これは面白い曲だなと本当につくづく思う。なんかサーカスの音楽のようでもあるし、1楽章と3楽章のポップなところだけ聴くと、かなりかちゃかちゃした音楽のような作り方であるが、真ん中にしっとりとしたスローなワルツ、サティのような、というのか、不思議な叙情的な世界が挟まることで、うーーん、なんかちょっと魔法のようなバランスの音楽に仕上がっていたと思う。
特にこのオーケストレーション、ラヴェルはオーケストレーションが素晴らしいということはよく言われるが、このリズムの作り方というのが非常に面白い、フィナーレでお聴きになられたか、たたたん、たたたん、というのが出てくるが、ああいうちょっと耳に残るような不思議なリズムを使う、扱う、というのもラヴェルの得意技の一つ、といえるかもしれない。
実をいうと私の作曲の師匠でもある松村禎三さん、というのもかなり若い頃からラヴェルに入れ込んで、ラヴェルのオーケストレーションをいろんな形で自分の中に取り込む、というようなことをやられていたが、その更にお師匠さんである伊福部昭先生が、やはり、これもあの戦前から、ラヴェルに随分注目されていたようで、今のコンチェルトのたたたん、たたたん、というリズムに実は伊福部さんの中で何度も使われて、最終的には例のゴジラの音楽の中にもゴジラ、ゴジラというようなフレーズで、まあこれは偶然なのだが、そういう形で出てくるというぐらい、かなり、ラヴェルというのは日本の現代音楽界にも深く浸透しているような気がする。
和声的に非常にフランス近代の現代的なセンスがある、ということと同時に、このラヴェルの世代というのは既にジャズもあるし、それからラヴェル自身がばりばりのパリっ子、フランスっ子ではなくて、スペインとフランスの間にあるバスク地方の出身であるということもあって、ボレロもそうだが、かなり民族音楽的なリズムというのも自分の音楽の中に組み込んでいるし、同時に今お聴きになってわかるように、モーツァルトとかサン=サーンスとか、という、ちょっと古典的なクラシカルな音楽の形、形式、というのもかなり意識している。古典的な形式を使う反面、オーケストレーションとかサウンドは今お聴きになったように、次から次へとよくも思いつくもんだ、というぐらい、いろいろなオーケストラ、楽器の、不思議なサウンドがおもちゃ箱から次々と、ラヴェルの手によって引っぱり出されて演奏されるというような、そういう作り方になっている。
この傑作が実を言うとラヴェルはご存知のように50代になってからボレロを書いて、そのすぐ後に左手の協奏曲、それから今の両手の協奏曲を、ほとんど同時進行で書いている。
左手の作品というのがむしろ大編成で轟々と鳴るようなちょっと暗めの音楽である反面、逆にこの両手の方は、両手で軽やかな明るい感じでという、非常に対照的なコンチェルトだが、ラヴェルは随分ピアノを得意としてピアノ作品をいっぱい書いているが、コンチェルトとしてはこの晩年 〜晩年といっても50代なのだが〜 に書かれた2つだけだが、非常に共に個性的で、ピアノ協奏曲の歴史の中でもちょっと不思議な個性を放つ2曲だと思う。
このラヴェル、という方も、今、伊福部先生の話が出たが、伊福部さんと同じように、何かこう不思議に、芸術家というと髪の毛がボサボサであまり格好に構わない、というようなラフな感じが芸術家、というようなイメージがあるかもしれないが、ラヴェルという方はダンディで、常にピシッとした背広を着てネクタイをきちっと閉めて、綺麗な高い靴を履いて、というような感じの作曲家だったらしいが、伊福部先生もそれに倣ってかどうかわからないが、伊福部さんもかなり常に、いつお見かけしてもピシッと蝶ネクタイをして、綺麗な服を着て、作曲家には芸術家という壊れた感じが全くしない、本当に紳士的な方であると、なんかここも共通項があるのかな、という気もしながら今聴いていた。
ただラヴェルがかなりおもちゃ箱的な軽い方向に、晩年は自分の音楽の理想を見た反面、伊福部先生なんかどちらかというと民族的な重心が下にあるような形でラヴェルを踏襲していたということで、サウンド的には全然、違った世界が出来上がっていったという点が、非常に作曲的にも面白い、ような気がするが如何だろうか。「ちょっとラヴェルの話で長くなりましたが…。」


「さて、続いては2013年1月20日に東京オペラシティコンサートホールで行われた、東京フィルハーモニー交響楽団 第54回午後のコンサートから、同じくダン・エッティンガーさんの指揮で、今度はヨハン・シュトラウスの、これも明るく、ポップスな曲ですが、『皇帝円舞曲』をお送りしたいと思います。」
ヨハン・シュトラウスの有名な作品、これはドイツとオーストリアの同盟締結の時に両皇帝が来たということで、それにちなんでタイトルをこうされた、ということなのだが、有名な、皆さんどこかで聴いたことあるかと思うが、その素敵なワルツを聴いてみたいと思う。

「これを聴くと、ニューイヤーコンサートを毎年ウィーンでやる、あれの演奏を思い浮かべて、なんか頭が新年になりますね。」
ちなみに皇帝円舞曲というタイトルを聴くと荘厳なイメージだが、もともとは、手に手を取って hand in hand というようなタイトルで書かれた曲なのだそう。
そういえば皇帝円舞曲という、ビング・クロスビーが主演した往年の名画の中でそういえば、奥様お手をどうぞ、という曲が流れていたが、「お手をどうぞ」というようなタイトルで最初は書かれた曲らしい。


オッフェンバックの喜歌劇「天国と地獄」序曲。
喜歌劇の中から3つを取り出して序曲にした曲だが、3つ目の曲はどなたでもお聴きになる、え、これがクラシックか!? というほど有名な賑やかな曲。「ではこれをお楽しみください (笑)。」

「なんか思わず笑みがこぼれてしまうといいますか (笑)、最後のあのフレンチカンカンですね、いわゆるラインダンスなどで必ず演奏される音楽ですね。まあ昔の古い映画だとギャロップ、なんか追いかけっこするところに必ず流れましたし、私の子どもの頃は運動会で駆けっこのところっていうと必ず流れたんですが今でもそうなんでしょうか!? とても楽しい曲でした。」


(ブログ管理人注) * Es管の… トランペットはC管。クラリネットは Bb管、Eb管一本ずつです。言い直しておられました。

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今回は解説の時間が約15分といっぱいあったため、ラヴェルのお話、見事でした♪。センセ、goodjob!!


今回の放送、吉松先生はかなり気合い入れて原稿を書かれたのだな、同じオーケストレーションを究める作曲家として、ラヴェルを敬愛しておられる様子が窺えました。
とても深い内容だったので、私も予習しておいてそれがとても役に立ちました。
たとえばラヴェルが、このピアノ協奏曲を書くのに、モーツァルトやサン=サーンスのそれらを参考にした、という箇所は、私には本当に意外に感じられたのですが、そういった予習で勉強して初めて知ったことが、吉松先生のお話に出てくると正直うれしかったです。

というのは、私は学校へ行っていた時、予習、復習を本当にやらなかった人でした。しかしそのことを本当に後悔しているからです。
今できることは、このブラオケの放送の前にあらかじめ曲を聴いて、スコアを読んで、Wikipediaなどで勉強して「妄想原稿 (^^;)」や予習レポートをブログにUPして… その上で日曜日の夜、放送を聴き、翌月曜日の午前中を使って吉松先生のお話をテキスト起こしして、思ったことを書いて、ブログにレポートをUPする、その一連の流れは、ある意味、子どもの頃のリベンジなのですね。

ラスト、「天国と地獄」の後、先生が笑いながら話しておられて、私も笑ってしまい、それでこの箇所は編集せず、ほぼそのままテキストにしました。
そして、最近の小学校の運動会では「天国と地獄」よりもEXILEなんかだそうですねw。


ラヴェルは、恐らくasexだったのかな!? と私は思います。


今回のブラオケレポート、センセのお話が大変深かったので、私から書くことはもうありません…… というのは嘘ですが(^-^; 、今回は今までになくお話が長かったので、テキスト起こしだけで正直もの凄く時間が掛かってしまいました。なので、もうそれだけでよし! それだけで good job!!、ということで今回はここまでにいたしましょう。(*^-^)


余談。この時のレコーディング時、センセ、風邪ひいておられたようですね。 (^-^;


来週は、いよいよ、東京からの放送5連荘 (レンチャン) のラストです。
リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」 これは、ブラオケ&FMシンフォニーコンサートで何度も取り上げられている曲です (=東京フィルの重要なレパートリーの一つのようですね!)。
オーケストレーションの教科書といえるかもしれませんので、よく予習して、 'ブラオケセレクション' (過去の放送の吉松先生の解説) を、今週中に時間が取れましたらUPする予定です。これと、ヨハン・シュトラウスのポルカ「雷鳴と電光」。先生の解説時間は約10分です。


ではこの辺で、ご案内はムラヤマトモミでした♪。


P.S.
あなたの脳内音楽室に掲げたいポートレイトは!?

昨日 (4/13 '14) 放送の、NHK-FM「きらクラ!」で、ふかわりょうさんが、ご自分の (脳内の) 音楽室に飾りたい作曲家の肖像、の中に、吉松隆をおっしゃっていました。(やっぱりね…^^) それも中央のベートーヴェンの右隣がいいとか。
私なら、バッハを中心 (←コレはもう絶対!!!) に、ヒンデミットとラヴェルとドビュッシーとストラヴィンスキーとレスピーギとシベリウスと伊福部昭と… ヨシマツタカシも飾りたいかな!? (←なんちゅう書き方 ^^;)
映像系でよいのなら久石譲と坂本龍一は必ず入れたいです。
それとピアニストですがグレン・グールドは絶対に! シンセサイザー奏者ですがヴァンゲリス、それとシンセサイザー奏者としての冨田勲とか。
まあ脳内音楽室に、ですが。


実際、ヒンデミット先生のポートレイトは、私の作曲スタジオの上部に飾っております。(←マジです♪)
(o^-^o)

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