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2014年4月21日 (月)

オーケストレーションの教科書シェエラザード@ブラオケ東京発

Scheherazade_scoretop_20140421_8292

番組information

NHK-FM 「ブラボー! オーケストラ
東京フィル 第839回 サントリー定期シリーズから(2)
放送日:2014年4月20日
解説: 吉松隆

「交響組曲“シェエラザード”作品35」
リムスキー・コルサコフ作曲
(44分56秒)
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(バイオリン)荒井英治
(指揮)ダン・エッティンガー
~東京・サントリーホールで収録~
(2013年10月25日)

「ポルカ“雷鳴と電光”」 ヨハン・シュトラウス作曲
(3分03秒)
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(指揮)ダン・エッティンガー
~東京オペラシティコンサートホールで収録~
(2013年1月20日)

NHKのサイトを参照しました。


参照Wikipedia: シェヘラザード  ニコライ・リムスキー=コルサコフ

IMSLP楽譜ページ: Scheherazade, Op.35 (Rimsky-Korsakov, Nikolay)


以下、吉松先生の解説を編集したものです。

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さて今回は、前回に続いて東京フィルの常任指揮者を務めている、ダン・エッティンガーさんのプログラムから。オーケストラサウンドの醍醐味を堪能できる作品、これ結構大曲だが、リムスキー・コルサコフ作曲の交響組曲「シェエラザード」を聴いていただきたいと思う。
このシェエラザードという作品、全4楽章で45分くらいあるという、かなりの大曲で、或いは交響曲と題して発表してもおかしくないほどの、わりと綿密に書かれた作品だが、特にやはりそのシェエラザードというタイトルでそう、アラビアンナイト風の、ちょっとエキゾチックな響き、そしてリムスキー・コルサコフ独特のオーケストレーションのいろいろな色彩が出て来ること、それから確かに中に、リムスキー・コルサコフ自身がもともと作曲家というよりは、海軍の士官として、本来はそっちの方が生業だった、そういうことでかなり、海の、海に慣れているというせいか、音楽に海の雰囲気というのも非常に見事に出て来る。波がザザーン! と打ち寄せるというようなイメージが、これもちょっと面白いサウンドの作り方だと思う、そういうものが眼前に広がるような、素敵なオーケストレーションというのもあるし、それから物語的に、構成的にも4つの楽章、これは交響曲と同じだが、繰り返し出て来るシェエラザードのテーマというのがヴァイオリンであって、それに王様が聞き惚れて、千一夜いろいろな物語を聞く、という構成で、いろんな音楽が次から次へと出て来る。王子と王女の話とか、祖国を彷徨う王子様の話とか、海に出て船が難破してしまうシーンとか、映画がなかった頃、目の前に総天然色のスペクタクル映画が展開するような、そういうイメージで書かれていることもあって、非常にこれ昔から人気の作品でもある。

このリムスキー・コルサコフという人は、お話したように、もともとは海軍の兵学校出、ということで、音楽は独学で勉めた人ではあるが、かなり勉強熱心というのか、これもちょっと不思議だが、オーケストレーションの大家として音楽史上では、ラヴェルなどと並んで、オーケストレーション、実際に管弦楽法という本を出しているし、私も高校の時に勉強した。或いは和声法という本、いろいろな音楽に対する理論書も書いている、という、なかなかこう、学者的な点でも優れた人。それからムソルグスキーの作品、「禿げ山の一夜」とか「ボリス・ゴドノフ」とかを、オーケストレーションし直している、というようなこともやっている。かなり教育者、先生としても優れたことをやっている方。
そういうと逆に堅苦しい音楽を書くのかな、と思うと、今日これからお聴きいただくような、非常にファンタスティックな世界をオーケストラで繰り広げる、ということもやっているし、なかなかこれ素敵な作曲家だと思う。「ちなみにこれ、私と誕生日同じなんですね。 (笑)3月生まれ。*」そういうこともあってなんか共通項を昔から、人ごとでないような親しみやすさを感じる。
今日はこの、リムスキー・コルサコフの名作中の名作、オーケストレーションのいろんなサウンドが45分に渡って繰り広げられる作品をお聴きいただきたいと思う。
4つの楽章からなる。第1楽章「海とシンドバッドの船」、第2楽章「カレンダー王子の物語」、第3楽章「若い王子と王女」第4楽章「バグダッドの祭り・海・船は青銅の騎士のある岩で難破・フィナーレ」という構成になっている。

「いかがでしたでしょうか!?」これ、ヴァイオリンの美しいメロディが全体を一つに統一するという、非常に巧いアイディアというのか、最初に聞いた時も、このヴァイオリンの美しさに聴き惚れるところから、この曲の理解が始まったことだから、最終的にはもちろんその、オーケストレーションの素晴らしさ、というのが、だんだんだんだん聴く度にわかってくるが、やはり全体を統一するキャラクターがくっきりしている、ということが、この曲がこれだけ人気の要因なのだと思う。どこかエキゾチックでもあるし、シンプルといえばシンプルで、基本的にそんなに複雑なメロディが次から次へと出て来るということもないが、個々のメロディは非常に印象的で、それからこのシェエラザードの主題もそう、それから3楽章の若い王子と王女のところで出てくる、ちょっとロマンティックな、叙情的なメロディなども素敵だと思うし、いろいろなメロディが、いろいろなオーケストレーションの色彩を纏って次から次へと出てくる、というのも、この曲の魅力なのだと思う。

しかしこの曲、コルサコフ自身はこれはシェエラザード、そしてタイトルはシンドバッドの船とかカランダール王子の物語というふうに説明したが、最終的にはコルサコフ自体は、これは交響曲的に純音楽的に聴いてほしい、というようなことも言っているので、そういう聴き方もありなんだと思う。
たとえばコルサコフの第2交響曲「アンタール」という交響曲があるが、これも同じような趣きであるが、やはり物語性として聴くのと、そうでなく純粋に交響曲として聴くのと、かなり色合いが違うということもあるから、聴き方によっていろいろ、この作品、いろんな形が見えてくるのだろう。あまりそのアラビアンナイトが〜というようなことで聴くのはいいのかどうか、そういうことから離れて、交響曲、純音楽的に聴くというのも、これはありなのかなと、今演奏を聴いて感じた。

特にこの作品、オーケストレーションの教科書的な、本当にいろいろな奏法、いろいろな色彩、が出てくるので、私も随分これ勉強したが、そんなに、今と違う、複雑な、妙な音を出すというようなことを試みている、というわけではないが、様々な、ヴァイオリンソロ、木管楽器がカデンツァ的にビート、リズムからちょっと離れて、てぃーらりらりらりらりら… というような歌い方をするところとか、それからあちこちにピチ・カートとかハーモニクスとか、オクターブ、トレモロ、スタッカート、いろいろな、弦楽器や管楽器の奏法がちりばめられていて、それぞれが「縁取り」メロディやリズムやアクセントや様々なところの、縁取りとして生きているということが、全体的に非常に色彩感あふれる世界になっていることの要因のような気がする。

オーケストレーション、ってよく勉強を… たしかに私も勉強したが、なんかこれ楽器のこと知りすぎてもダメだし知らなくてもダメだし、という微妙なところがある。
あまり知り過ぎても、これは難しいから書けない、というふうになるし、知らない方がなにか伸び伸びと、面白い新しいフレーズが出てくる、ということがあるので、いろいろオーケストレーション、オーケストラのサウンドという点についても考えさせられる曲だと思う。「如何でしたでしょうか!?」

(ヨハン・シュトラウス ポルカ ’雷鳴と電光’ )

これは、シェエラザードの後にやって偶然だったが、今お聴きになって分かるように、バスドラで雷鳴が、そしてシンバルが電光を表す、という、これも一種オーケストレーションのあそびというのか、それがなかなか、きらびやかになっている曲。元々は流れ星、というような印象で作り始めた曲らしいが、バスドラとシンバルのアクセントが綺麗に決まった名品となった。


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✳︎ 確かに、リムスキー・コルサコフと吉松隆は誕生日が同じです (3月18日)。
誕生日というのは、なにかと意味を感じることがあります。(余談ですが3人の同世代エレクトーンプレイヤーが続きの3日間に生まれておられることとか、私の甥っ子がこの子の父方の父方の曽祖母と同じ誕生日だったり、私が一年のちょうど真ん中の日に生まれていることとかetc.. )
こういうことに何か運命を感じてしまうことはよくあるし、何か意味があるのかも、しれません。吉松先生の場合、リムスキー・コルサコフのようにオーケストラ音楽を究めよう、という決心を抱いてこの世に生まれてこられたのかも、しれません...。


今回のブラオケ、昨夜書きましたように、私が予習で感じたこと、スコアを見ながら放送を聴いて思ったこと、そのままを、吉松先生が話しておられたのでびっくりしました。
シェエラザードに関しては、この番組で既に何度か取り上げられているものの、今回は特に、オーケストレーションについて焦点を当てて話されていたこと。
まるで、私のためにそういった原稿を考えてくださったような、無言で「がんばれ!」と背中を押してくださったような気がして、すごくうれしかったです。吉松先生ありがとうございました。


ヽ(´▽`)/


♪ シェエラザードの、わたしが印象的な箇所をいくつか。引用楽譜と共に…。♪

時間の都合で、1楽章だけですが、ご覧ください。


# keyword: 波 #
海の凪と、激しい波。


語り部シェエラザードは、美しいヴァイオリンソロ。何度も出てきます。
それ以外にも、ソロはよく出てきます。
大編成でのトゥッティに対してのソロ。豊かなコントラストがポイントですね。

♭ ソロと、ピチカート。海は今、凪いでいます。
4分の6拍子で、海の波を、チェロのソロが静かに描きます。

Sche1_20140421_85123

♭ しかしやがて、海の波は激しく高くなっていきます。

Sche2_20140421_91532


♭ 素敵な、解放弦上のハーモニクス♪

大好きなんですハーモニクス。(o^-^o)
ヴァイオリンE線上のA音の箇所を軽く触れると、E解放弦の2オクターヴ上のE音が出ます。
ちょうどテューバ&バストロンボーン+ファゴットが野太いメロディを奏でているところで、高くて細い音。大きなコントラストが見事。
リアルな海の波の形状!? を感じさせられます。

Sche3_20140421_95206


♭ 時々出てくる、弦楽器の弓のup, down指示。
downはよく見ますが、up, down両方を指示しているオーケストラスコアを、私は初めて見ました!。

Sche4_20140421_100655


♭ '6 Viol Soli'

Soli ソリ、はソロの複数形。
で、この箇所は3和音ですから、2人ずつで演奏するのが自然かな!?。
ソロではなく、2人というこの絶妙なキャスティングに (驚!)。

Sche5_20140421_101722


♪ まだまだ、この曲には不思議な仕掛けw がたくさんありますよ。 ♪

スコアの引用を作る時間がないので、文章で…

♭ ヴァイオリンE弦上で、8va. 上のE音を軽く押さえると、その音がハーモニクスで出てくる、とかいうのをさりげなく使っています。

♭ ヴァイオリンパートで、「sul G」 (G線上で)はわかりますが、「sul D」というのも、この後に出てくるんです! (驚き!)

共に音は控えめでふくよかですね。
ただ、G線は端なので強い音を出しやすく、D線は中間なのであまり強い音を出すわけにはいきません。 (@弦楽器経験者語る)
この違いでしょうか!? それら長所と短所をうまく利用しているということでしょうか!?。


〜もっと、何度でも聴いてみたいです。


(*゚▽゚)ノ


さて、ブラオケは来週は大阪からの放送です。 (聴きますよ♪)
その後2週、特番でお休みの後、次回の東京からの放送は、5/18 '14 になります。
全5曲ですが、スメタナのモルダウを予習しておきます。
あと自作自演になる、 外山雄三作曲&指揮の「管弦楽のためのラプソディ」これが楽しみです♪。乞うご期待です!。


(*^-^)


5週連続、ブラボー! オーケストラ  東京からの放送と、それをめぐる予習をupしてまいりましたが、
大変でした。でも本当に勉強になったし、今、やり遂げた! という満足感でいっぱいです。
これからも、ブラオケ東京発レポート、続けていきたいと思います。
ですから吉松先生も、お元気で、当面はこの素敵なお仕事をお続け下さいね♪。応援しています。感謝を込めて。


p.s. 勝手な想像とも言えますし、直観なのですが、
リムスキー・コルサコフは、伊福部昭先生の前世ではないか、と今回、思いました。

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