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2014年3月25日 (火)

ブラオケセレクション (1) ♪ レブエルタス「センセマヤ」

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過去の「ブラオケ東京発」(NHK-FM 「ブラボー! オーケストラ」もしくは「FMシンフォニーコンサート」の、東京からの放送) で、今までレポートを書いていない曲の中から、わたしが感動した曲、衝撃を受けた曲、初めて知った曲などのレポートを、セレクションとして時々書いてみようと思います。

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番組information

NHK-FM 「ブラボー! オーケストラ」
東京フィル 第835回 サントリー定期シリーズから(2)
放送日:2014年3月2日
解説:吉松隆

「センセマヤ」 レブエルタス作曲
(6分52秒)
(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(指揮)クリスチャン・バスケス

NHKのサイトを参照。


 IMSLPの楽譜

 NAXOS Music Libraryより


以下、吉松先生の解説を要約したものです。

メキシコの、ちょっとこれは珍しい、レブエルタスという人の作品「センセマヤ」。
レブエルタスという人。個人的に、メキシコの伊福部昭、と昔から呼んでいた。
伊福部さんよりは10幾つも若い世代。伊福部さんは今年でちょうど生誕100年になられるわけだから、それよりはもう少し若い世代。
メキシコで作曲して、多分40代くらいで非常に若くして亡くなっているが、「センセマヤ」は彼の出世作・代表作でもある非常に面白い作品。
これは、確かに伊福部さんと同じように、ストラヴィンスキーの「春の祭典」、或いは多少自分の国の非常に原始的な・土俗的な音楽というものを巻き込んで、変拍子による、近代オーケストラをシンプル (神秘?) に鳴らす、という方向で書かれた曲の一つ。1937年、戦前に書かれた作品であるが、非常に興味深い作品。
「センセマヤ」妙なタイトルだが、これはキューバの詩人、ニコラス・ギレン、もしくはギジェン、と読むのか!? 彼の詩であるセンセマヤ・蛇殺しの唄、という、ちょっと不思議な詩があるが、それに触発されて書いたとのこと。
「センセマヤ」というのは、元は西アフリカのヨルバ族〜ナイジェリア辺りのアフリカの民族の神話の中にある水の女神に、蛇を殺して捧げる、という、呪文じみた不思議な詩だが、全編に渡ってマヨンベ、ボンベ、マヨンベ、センセマヤ…、という、ちょっと不思議な呪文が延々繰り返されるという詩。それに合わせて、曲も全編、多少不思議な8分の7拍子で、呪文がずんずんずんずん…、と進んでいって、最後に、蛇を殺して、ちゃっ! と終わる、というような、ストラヴィンスキーを思わせるような、非常にアフリカ、もしくはマヤの、古代文化の儀式を思わせるような不思議なサウンドでできている。

「8分の7拍子で、不思議な呪文がずーっと延々と続いていくという、ちょっと不思議な感じの音楽でした。」
このレブエルタス、という人は、時代的にいうとちょうどチャベス、チェレプニン、プーランクといった作曲家と同い年。
一つ違いでガーシュイン、クルトワイル、コープランドという作曲家もいるから、結構南米、北米周辺に大作曲家が出た時期。
多分、近代音楽〜ストラヴィンスキーなりラヴェルなりの影響でアメリカの中から、そういう新しい音楽を作ろう、という動きが出た中で生まれた作曲家の一人。これからちょっと、大きく有名になっていただきたいと個人的に思う人の一人。
もともとはこのレブエルタスは、ヴァイオリニストとして最初にリサイタルを開いたりして活動をし始めたらしいが、徐々に作曲をやるようになり、このセンセマヤは始めはちょっと小さな編成で書かれて、後に大編成になった、ということもあり。
ただ残念ながら、40という若さで亡くなっている。ほかの曲もいろいろ聴いてみたい、そういう作曲家の一人。


蛇殺しの呪文を延々と繰り返し忘我の境へ…


冒頭、もの凄い低音で、たららららららら…… と延々の繰り返しが始まります。蛇殺しの儀式の始まり…… 
先陣を切ったのはバスクラリネットですが、途中でどうしてもブレスが入ります。
たららら… は一時的に止まるが、同時に息を吸う「ハッ!」という音が微かに響きます。
最初の方は他の楽器が邪魔していないからこれがよく聞こえます。


このブレスの「ハッ!」に、何ともいえない魂が揺さぶられるのを感じました。


なんでしょう、これは演奏によっても違うみたいです!? が、とにかく作曲者はブレスの指示を全く書いていません。
息を使用する管楽器の問題点をカバーするために、循環呼吸を使う方法も考えられます。同じ楽器を2本にして交代に演奏する、ですとか、いろいろな方法は考えられます。
ですが、それでは、「蛇殺しの呪文」ではなくなってしまいます。
敢えて、一人の奏者が延々と演奏し続ける、苦しくなったら息継ぎしてまた只管 (ひたすら)続ける。
それは本来、口で唱える呪文を見立てているから。
呪文を繰り返すうちに、人は不思議な忘我の境に誘 (いざな) われ、それが独特の精神状態をつくり上げ、儀式を盛り上げるのでしょう。


日本人に分かりやすいように説明しますと、私は、お経や念仏、お題目との共通点を感じます。
たとえば、「ナムアミダブナムアミダブ…… 」と唱え続けて、息を吐き切ったら、吸い込んで、その吸い込む瞬間に、リズムを崩さないように、口の中では唱え続けます。「ナム」で息を吸って、「アミダブナムアミダブ… 」という感じに再び声を出して唱え続けるようです。


この曲の場合、蛇殺しの「呪文」でしょう。「呪文」でしたら、当然、それを管楽器で表現するのだとしたら、その息継ぎも重要な要素だと思うのです。


あと、7/8拍子という独特のリズム。
後半では更に、7/16、7/8を交互に繰り返す変拍子も登場します。
この不可思議なリズムも、人々を不思議な境へと誘うのかもしれません。


とにかく、なんだかすっごい久しぶりに、魂が揺さぶられる音楽と出会った感じでした。
これは、写譜してみたい気がします。

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