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2012年12月17日 (月)

「第9」の秘密@ららクラ

ららら♪クラシック
NHK教育 (日) 21:00~
きいて感動 みて納得『第9』鑑賞入門


我らが現代交響曲のスペシャリスト・吉松隆センセが詳しい解説をしてくださいました。
要約を下記にまとめてみました。
(← ) 内は私のツッコミです。


☆ ベートーヴェンの「第9」、初演は成功したが、その後、酷評が続き、なかなか認められず演奏されなくなってしまった。何故か?
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Y (吉松先生) 交響曲なのに後半に合唱が出てくるところが斬新だった。例えるなら、すし屋に入って最後にビフテキが出てくるみたいな違和感。


☆ 「第9」が認められたきっかけは?

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Y ワーグナーが、ベートーヴェンの死後20年くらい経ってから、詳細にプログラムを説明して(苦悩を突き抜けて歓喜へ至る! だとか)、初めて聴く人も演奏する人も理解することができ、ようやっと名曲の仲間入りに。


☆ 日本では年末になると「第9」で大騒ぎになる。

Y 日本人がいちばん「第9」が好きみたい。本場の人たちはそれほど演奏しない。何年かに一度の「とっておき」という感じ。日本人の、忘年会のような「今年もいろいろありましたが最後は無礼講!」という感覚と合うようだ。


☆ 「9」→終わる感じ!?

Y 日本人は特に、野球で「9回裏、2アウト満塁」でワクワクして、「逆転ホームラン!」でワーッとなるような感じが「第9」は演出されている!? 冒頭からホームランが出るのではなくて、1楽章2楽章3楽章といろいろなドラマがあって、最後に逆転ホームラン! という喜びがある!?


♪~~~~~


1、2、3楽章にスポットを当てて解説。
オーケストラで実験。川瀬賢太郎指揮東京フィル (←スゴイね、スタジオにフルオケ迎えちゃうなんて!)


第1楽章 「早すぎず 威厳をもって」


スゴ技ポイント1 「宇宙の作り方」


Y 1時間以上の巨大な作品が始まる→ 何か、宇宙が生まれる、ビッグバンのような感覚を出したい。ベートーヴェンがどういう作曲技法を仕掛けたのか。
裏技の一つとして、第2ヴァイオリンとチェロが和音を刻んでいる。これがポイント。6連という、ちょっと不思議な奏法がポイント。

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I (石田衣良) なんかもう、期待してしまいますよね。もやもやしたガスの雲の中から星が段々と出来上がってくるような雰囲気。

K (加羽沢美濃) 6連符は1拍にタタタタタタ、と6個入っている音符。これが宇宙らしさを作っているのではないか、ということで…。


……実験その1 もしも、6連符以外の音符だったら、宇宙は始まるか!?


(1) 6連符→ロングトーン (ひとつの音をのばす) にすると……

I 重くて、こう、「ダマ」になったままで、星がきらきら生まれるっていう雰囲気じゃないですよね。×


(2) 6連符→トレモロ (こまかく速く弾く) にすると……

♪ (←あはぁ~ ブルックナーみたいだね!)

I 動き出した巨人が一歩目でつまずくっていう感じ。どっしーん!って。×

Y サスペンスドラマが始まりそうな感じでしょ!?。
多分この後のマーラー、ブルックナーだとこういう感じの方がかっこいい!? が、ベートーヴェンはこうではない。

K こうして聴いてみると、ベートーヴェンの書いた6連符の偉大さというものに……

Y 相当悩んだのでしょうね書く時に。こうでもない、ああでもない、と悩んだ結果が6連に達したのだと思います。

指揮者の川瀬氏 「何もない空間に、でも何か動き出そうとしているパワーが秘められている、いちばん最初に相応しいのは6連符ではないか!?」

Y 非常に斬新なやり方。非常に小さなモティーフが段々と固まっていって、大きく、生命体になるような。後にマーラー、ブルックナーとかが使っているが、後世の作曲家に影響を与えた斬新な、前衛的なやり方だった。


第2楽章「非常に活発に」

音楽は一転して、細かく鋭く進む。


スゴ技ポイント2 「リズム細胞の秘密」 (←センセっぽい!!) に迫る。


I 宇宙の誕生の次はリズム細胞ですか!? もう完全にSF映画ですね!

K リズムに細胞が付いてしまうという! 一体どんなものか…。

Y 1楽章は巨大な宇宙がぐぐっと動き出す感じ。今度これは、地球に細胞・生命が生まれて、その細胞がぴくっ! と動き出す。

I 心臓のパルスのようなもの!?

Y そう。ぴくっ! と飛び上がらないといけないわけで「タンタタン!」
細胞がわさわさ……と集まって曲ができていく。

K タッタタン! が第2楽章の基、勢いの源。


実験その2 「もしも細胞が違うリズムだったら?」
K 「タッタタ!」が「タタタ」…ピクッ! がなかったら、どんなふうになる?
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I 細胞死んでしまいましたね~×。

Y ぺたぺたぺたとなりましたよ。

K インパクトのなさ!×

Y 生命力が違いますよね、ピクッ! とあるだけで。

K いかに付点のリズムが大切か。……ティンパニかっこいいですよね! (←同感!)

Y 「てぃんぱに」って!(言葉とリズムが同じ) (←おおおおお、まさにそうだ~~♪)


第3楽章「とてもゆっくり 歌うように」

この世のものとは思えぬ、美しいメロディに満ち溢れた楽章。

スゴ技ポイント3 「眠気を誘う音楽」


Y 宇宙が生まれ細胞が生まれ生命が生まれ、理想郷が出来る。楽園が。
天国のように、みんな何も悩むこともなく、うつらうつらと…… 美しい境地に達する。
面白いやり方だと思うのは、ヴァイオリン、一斉に細かいパッセージを弾く。
「みなさんこんにちは」を100人位で同時に言うと、「みーなーさーんーこーんーにーちーはー」ゆっくりになってしまうみたいな効果をもたらしている。それがちょっと不思議な仕掛け。(←すごい発想!)
ソリスティックに弾くパッセージをわざわざ全員で弾くところがミソ。

I みんなでいっせいにそっと「おやすみなさい」と囁かれている感じ。気持ちいい。

Y 楽譜は凄く難しい、実を言うと。こうやって聴くとずーっとこのまま永遠に聴いていたい、というような、どこかシビレてくるような感じがする。


実験その3 「もしメロディーを独奏にしたら?」

K この部分をヴァイオリン協奏曲のように演奏するとどうなる?

♪(←ヴァイオリン協奏曲そのものになっちゃったね! なかなかいいね♪)

I これはこれでいい、ただ、「眠らせないよ!」 って感じがあります。×

K ホントによくぞここにお気づきですよ吉松さん、て感じです。(←同感。)

Y こういうフレーズを書いておきながら、ヴァイオリン全員で弾かせるっていうのが面白い発想だな、と。(←うんうん!)
このまま永遠にこの楽章の中で、なんかうずもれていたい…… その後に第4楽章が「さて!」 と出てくる。


ららら♪こばなし 「第9のジンクス」 より。
「ミャコフスキー27曲。ホヴァネス57曲。セーゲルスタム253曲!(更新中!!) ジンクスなんて、どこ吹く風。
ちなみに、吉松さんは第5番まで完成。第9と言わず、第900まで、たーくさん書いてくださいね~!!」(←Me too!!! & おおお~~っ、Yoshi5 の冒頭がOnAir された~♪ ぶらぁぼ!!!)
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第4楽章の仕掛け


K 第4楽章に到達しても、頭8分くらいは合唱は出てこないんですよ。
どのような構造になっているか。このように全体を吉松さんに分けていただいたんですが……
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Y 第3楽章で、みんなにゆっくり、眠気を誘ったところで、最初に「恐怖のファンファーレ」 不協和音がばーん! と鳴る。「皆さん起きて下さい、フィナーレが始まります。」 すぐに「レシタティーヴ」~オペラの中で語るように台詞を歌うってのがある~それをチェロとコントラバスで。歌詞なしだが何やら聴こえてくる。そしていよいよ歓びの讃歌のメロディが出てくる。そこまではオーケストラのみ。
その後再び「恐怖のファンファーレ」が。その後バリトン独唱~初めて声が出る~すくっと立って「待ってました!」~合唱につながる。

K もったいぶるよね、この合唱!

I じらしが上手い!

最初のバリトンの独唱:「口上!」
Y 「さて、みなさん! お待ちかねの…」みたいに出てくるが……

I 「こんな調べではない」ベートーヴェンは何を否定していたんですか?

Y これは、さんざん素晴らしい! と言ってきた、1、2、3楽章を否定するところから始まる。

I 自分の音楽を否定する!? 何故またそんなことを?

Y 一つは前半がオーケストラだけだったからそこで合唱を出すために、さて今までオーケストラでやってきたそういうものではなく、合唱を出しましょう、という意味も含めて、もうちょっとそこに、ベートーヴェンならではの意味が込められている。

K 第1~第3楽章を否定するための言葉が付けられている。

Y もとはスケッチの段階でベートーヴェンは言葉を書いてあった。それをそのままやるのはどうかと思ったのかは不明だが、言葉はなくチェロとコントラバスだけでやるように書いているが、実は、(ベートーヴェンによる) 歌詞が付いていた。

K その同じモティーフを「口上」で歌っているんですね。

Y 言葉にすると、こうです、という。



第4楽章は「恐怖のファンファーレ」 で始まる…

B (ベートーヴェン) 「いや、これは… 絶望を思い出させる…」

ふたたび「恐怖のファンファーレ」

B 「今日はお祝いなのだ この喜びを歌と踊りで祝おう」

第1楽章「宇宙の始まり」が再び登場するが…

B 「いや、違う! これではない、ちょっと違う 私が求めているのはもっと心地よいものだ」

第2楽章「リズム細胞」再び…

B 「これも違う!さっきのにくらべてマシというか… 少し陽気なだけだ」

第3楽章「眠気を誘う音楽」が再び登場するが…

B 「やさしすぎる… 快活なものを探さねば… 私が歌って聴かせるから…」

そしてこのメロディが…

B 「これだ! とうとうみつけた! 私が歌って聴かせよう!」


Y 「否定」っていう意味がわかるでしょ!? 全部今までの音楽が違う、と言っているのではなく、クラシックってみんなそうですけど、非常に難しい高尚なものだ、といいますけど、ちょっと難し過ぎてよくわからないよね、っていうのがあるし、それからちょっとポップス、ポピュラーっぽい、リズムがちょっと軽すぎるよね、というのもあるし、それから綺麗で美しいんだけどやっぱりちょっと退屈しちゃうよね、っていうのがある。そこでわかっている、ベートーヴェン自身が。それでぢゃあどうしようか!? というのが解答として出てくる、という形を見事に取っている。

K でも、いい感じで1楽章2楽章3楽章をうまく回想して、美味しいメロディをちょこちょこ思い出させながら、「こうじゃない!」 って満を持して出てくるあのメロディ、これから聴く側も違いますよね。

I いやあ、期待が高まりますよね。



(番組ラスト)

Y こういった一級のオーケストラとコーラスでベートーヴェンに聴かせたかったですよね。1回2回しか多分聴いていない筈ですし。
(← 実際はベートーヴェンは既に全く聴こえていない時期だったわけですけど、心の耳では聴こえていたのかも!?。)


♪  ♪  ♪  ♪  ♪  ♪


「予習」 を、今日 (12/16) の午後、やっていたのです。
今回の吉松先生のお話は、合唱が始まるまでのお話でしたが、合唱が始まってからのイメージは、12/18 '11 OnAir の「題名のない音楽会」での、佐渡裕さんの合唱指導特集を今回予習として視聴しましたが、こちらがとても詳しくて面白かったです。
その他、ウィキペディアだけでもとても面白くて、この交響曲の演奏史なんか読んでみると、不完全な演奏というか、楽器や合唱がちょっと違っていたり、一部の楽章だけ (しかも第4楽章以外の!) の演奏だったりする時があって、なんというかそれは、大編成オーケストラ&合唱 という斬新さ故だったのでしょうか。そんなことを楽しく読んでおりました。
またシラーの詩の意味やベートーヴェンの解釈を細かくまとめたサイトとかもあったので読んでみましたが、難しかったです……。
とても、一朝一夕でこの壮大な交響曲を解析なんてできません。
昨日「第9の公案」などと書いてみたのですが、では吉松先生はどんな実験をオーケストラでされるのか? それを一つでも予想してみよう、などと内心思っていたのです。が、それを探っている暇もなく、暇があったとしても、予想などついたか、どうか……。
ただ、以前私もこのブログで、第2楽章の冒頭のティンパニの「たったた!」 が素晴らしいんだよね、ということを書いたことがありましたが、それを取り上げてくださったというのは、なんだか嬉しかったです。

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